環境配慮型製品


●○ なぜ環境配慮型製品を開発するのか ○●


最近では、エコプロダクツ展が開催されたり、環境配慮型製品を特集した雑誌や記事などを目にすることが多くなったり、様々な企業での取り組みが盛んだと思いませんか。

では、環境配慮型製品を開発することは、企業の環境対策として、どのようなメリットがあるのでしょうか?
それは、ひとことで言えば、環境関連法規制に対応し、さらに企業戦略と連携できることです。


■環境関連法規制への対応

国内

環境に関する法律は色々ありますが、環境配慮型製品に影響を与える法律も次々と制定・施行されています。これらへの対応として、環境配慮型製品の製作が行われています。

たとえば、個別リサイクル法の施行により、容器包装や家電、自動車のメーカーでは自社製品の回収が義務付けられるため、分解・リサイクルのし易い製品の開発が迫られています。

また、グリーン購入法の施行により、国をはじめ自治体、地方公共団体などで環境配慮型製品が優先的に購入されるようになりました。民間でもISO140001の認証取得企業などではグリーン調達基準を作成し、品質、価格、納期に加えて環境配慮を行うようになってきています。

さらに、PRTR法では特定化学物質の情報開示が義務付けられるため、社会に対する企業のアカウンタビリティが問われることで、製品の環境配慮設計に反映されることになります。


表 国内の環境関連法規制の例
法律名 法律の概要
容器包装リサイクル法
(1995年制定)
容器包装ごみのリサイクルを製造者に義務付けた法律。
家電リサイクル法
(1998年制定)
家庭で不要となったテレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫の家電4品目について、家電メーカーに回収とリサイクルを、消費者にその費用負担を義務付けた法律。
自動車リサイクル法
(2002年制定)
使用済み自動車から出る部品などを回収してリサイクルしたり適正に処分することを、自動車メーカーや輸入業者に義務付ける法律。
グリーン購入法
(2001年施行)
「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」の略称。
国が物品を購入する際には環境に配慮されたものを購入しなければならないとする法律。地方公共団体は国に準ずるものとされ、民間は努力規定となっている。
PRTR 法
(1999年制定)
「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」の略称。
有害性のある化学物質の発生源、大気排出量などのデータを、国、事業者団体等の機関が把握・集計・公表する仕組み。
(2005年6月作成)


海外

また、製品を輸出している企業にとっては海外の環境関連法規制も重要な要因です。

たとえば、電機・自動車業界を中心に環境配慮設計が一気に加速した背景には、欧州連合(EU)の有害物質規制、いわゆるEU指令が大きな影響を与えています。なぜなら「環境に配慮した製品でないと、EU加盟国では売らせてあげませんよ!」と言われてしまうからです。

EU指令は「IPP*枠組み指令」の一環として策定され、すでに様々な指令が発効されています。

*IPP: 統合製品政策(Integrated Products Policy,IPP*)のこと。製品のライフサイクルのすべての段階を検討して環境への影響を最小化しようとする考え方に基く。

表 EU指令の例
指令名 指令の概要
ELV指令
(自動車廃棄処理指令)
自動車メーカーに廃車の解体とリサイクルのコスト負担を義務付ける。
WEEE指令
(欧州廃電気電子機器リサイクル指令)
廃家電・廃電子機器を分別収集し、製造メーカーが回収・リサイクルする責任を負う。
RoHS指令
(欧州特定物質の使用制限指令)
電子・電気製品への鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、臭素系難燃剤のポリ臭化ビフェニール(PBB)およびポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の使用停止。
REACH規則(欧州化学物質規制)案 欧州議会にて検討中
EuP指令(エネルギー使用製品に対するエコデザイン要求) 案 欧州議会にて検討中
(2005年6月作成)


■企業戦略との連携

環境が企業価値向上および商品の価値創造にとっても有益であるという認識が企業に広まりつつあります。環境がマーケティング戦略として位置づけられることで、環境配慮型製品が重要になってきています。

企業価値向上

企業価値向上にとって有益な点は、環境配慮型製品の開発・販売によって、

対外的には
環境ブランドとしての企業イメージの確立
競合企業との差別化
投資家の環境先進企業に対する評価の高まりへの対応
企業の社会的責任(CSR)の履行

社内的には
ISO14001認証取得の広がりに伴う環境マネジメントの推進
環境リスクへの軽減 

など、様々な角度から企業価値の向上が期待されることです。

たとえば、日本での投資における環境の比重は未だそれほど高くないと言われていますが、エコファンドや環境格付など、環境側面で企業が評価されることが増えてきていますし、近年のコンプライアンスに関わる不祥事を背景として、企業の社会的責任(CSR)に対する社会の要請はますます強くなっています。


商品価値創造

また、商品の価値創造にとって有益である点は、製品の環境側面を配慮することにより、

消費者の環境意識の向上に伴う顧客ニーズの変化
グリーン購入・調達による取引先の要請

に応えることで売上に貢献することが期待されることです。


T.消費者ニーズの変化

消費者の環境意識の高まりとして、たとえば再生紙のトイレットペーパーや無添加化粧品、詰め替え製品などの環境に配慮した製品が売れていることが挙げられます。

また、環境と健康が密接に関係している物質、たとえば環境ホルモンやシックハウス成分、合成食品添加物などには強い消費選択圧力が働きます。このような環境志向型の顧客ニーズに応える製品を開発することで、商品価値の向上に貢献できるのです。


参考)
・環境に配慮した商品やサービスの購入を「している」は54%。「していない」は12%。「どちらともいえない」は35%。
出典:東京都公式ホームページ 報道発表資料 2004年11月
「消費者行動と環境への配慮」モニターアンケート結果)


U.取引先の要請

先に述べたEU指令の関係で、取引先からの問い合わせに多くの時間と人手を費やしている、といったことは、多くの企業の環境担当部署の方が経験されていることではないでしょうか。

また、特に取引先が環境意識の高い企業の場合、環境への取り組みがサプライチェーンを通じて上流側に広がる遡及効果が見え始めています。

たとえば、大手メーカーが自主的な要請として、調達部品メーカーに環境性能データの提出を要請する、といった取り組みが始まっていますし、その他にもISO14001の認証取得企業ではグリーン調達ガイドラインを設ける企業が増加しています。

図 「山武グループのグリーン調達ガイドラインの全体像」より


●○ 次のステップに進むために ○●

では、自社の製品を環境配慮型製品にするためには何を考慮すればよいのでしょうか?
一つの方法として、製品をライフサイクルでの環境側面から評価する、LCA(Life Cycle Assessment : ライフサイクルアセスメント)が行われています。


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